芭蕉にとって、古来、観月の名所だった信州・更科の姨捨山はどうしても訪ねなくてはならない聖地だった。その旅は「俤や姨ひとりなく月の友」の句を生み、「更科紀行」となって伝わる。美濃(岐阜県)から木曽に入って信濃路をたどり、江戸に戻っていくその旅路には、独自の文学部を打ち立てようとする芭蕉の激しい心の動きが感じ取れる。間と空間の描写を得意とし、「まんが紀行奥の細道」で日本漫画家協会賞特別賞を受賞した著者だから描き出せた芭蕉の心とは…。
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