「ペンションやましな」はリピーター客が多い。それは、このペンションを営む山科家の絆そのものが、宿泊客を家族のように
あたたかく包み込むからだろう。美沙緒もそんなリピーター客の一人で、以前彼女は、自分の生い立ちに心を痛め、このペンションを訪れていた。今回は明るい笑顔で現れた美沙緒だったが、山科家の長男・一生(かずき)には見えていた。ふとした横顔に宿る、彼女の陰りを…。「やましな」に吹く暖かな風が、再び彼女に本当の笑顔をはこぶ。
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