牧師として誇り高く生きてきた父は、退職後、いつからか道に迷い、人の顔を見分けられなくなり、一つ一つ、人をこの世につなぎとめている絆を失っていく。言動がくるくる変わり、奇行をくりかえす父。母の急死で、仕事をしながら介護を余儀なくされた息子。忘却と混乱のなかに沈んでゆく父にふりまわされながらも、やがて息子は、二人の間にはじめて不思議なやすらぎが生まれるのを感じる。老いゆく父の悲しみといらだち。家族の悩みと迷い。ナーシングホームの日々。男にとって介護とは…。誰にでもかならず訪れる老親介護の真実を、ユーモラスに切実に描く感動の絵エッセイ。
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