まだここに何もなかった頃。どれくらい前のことか、私の話はちょっとうろうろしてる。ずっと忘れてたのかもしれない。まだそこにいるんだけどね。
もうここにはない海。とんでもなく大きな森。なんでもつくれるおっちゃん。いつも一緒にいたタカノ。夜トロッコに乗り込んで、ふたりならどこまでも行くことができた。風はどんなことがあっても死ぬことがない、と話していたばあちゃんは誰だったんだろう。見上げると、赤松の葉っぱが揺れていた。いまここにいながら、すべてがある……。
自身の短篇小説をもとに描かれた著者の創作の原点となる、漫画にしてまさに文学。オールカラー上製本の絵本仕立てで、ずっと手元においておきたくなる特別な一冊に。
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