アニメ作家・宮崎駿の仕事は「監督」という枠に収まるものではない。大気の流れからメカ、建物、動物、人間、草木、そこに流れていた歴史まで。画面上のすべてを自らの能力で統率する。地下に潜ったかと思ったら、今度はとてつもなく高い場所に上がっていく…世界は横にだけではなく縦にも見渡せるのだ。そして悪夢と解放を示す“落下”と“飛翔”-本当の表現とは一つしかない、それを探しているのだと言う宮崎駿。そもそもアニメーション自体が「らしさ」の表現であり、我々の何気ない動き、そして観察力に対する批評である。やがて、宮崎作品とともに生きてきた我々の時代とは何だったのか、あるいは彼が時代に何を残してきたのかが見えてくる。
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