本書『寄り添って、たましいの救い』は、イエス・キリストの働きを模範としたスピリチュアルケアとチャプレンの役割を、漫画形式でわかりやすく描いた一冊である。
本書はまず、福音書に記された中風の人の癒しの場面を通して、イエスが単に肉体の病を癒したのではなく、「罪の赦し」という霊的問題にまず応えられたことを示し、からだ・こころ・たましいが分かちがたく結びついた「全人的な癒し」の原型を提示する。
続いて、ホスピスに入院した高齢女性の実話をもとに、チャプレンが寄り添い、聖書のことばと祈りを通して心の平安と信仰へ導いていく過程が描かれる。彼女はやがて洗礼を受け、最期には「思い残すことはない」と語るまでに変えられ、その証しは家族にも希望を残した。
さらに、恐れに縛られていた患者がイエス・キリストと出会い、赦しと平安を得て恐れから解放されていく物語を通して、霊的ケアの現実的な力が描かれる。
終章では、医師・看護師・チャプレンなど多職種が協働し、身体的・精神的・社会的・霊的ケアを統合する「全人医療」の実践が示される。そこには「隣人愛」に基づき、患者一人ひとりの存在全体に寄り添う医療の姿がある。
本書は、現代医療において見落とされがちな「たましいのケア」の重要性を問い直し、真の癒しとは何かを読者に深く考えさせる。医療従事者のみならず、人生の意味や死に向き合うすべての人に、新たな視点と希望を与える一冊である。
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